チェコ旅行記10/29

『やべっ今何時だ!?』と思って時計を見るとまだ2時半。次に起きたのが3時半。また起きて4時半。そして最終的に5時半に起床。もう『遅れないように』っていう緊張と楽しみなのとが合わさってなんでしょうね、これは。テレビをつけると、めざましテレビで守屋事務次官の証人喚問の論点とかがやってて、『これチェコに行ってる間にあっさり真相解明されたらつまらんなぁ』とか思いながら支度をして6時半にホテルを出発。ちなみにホテルからヒゲ剃りと歯ブラシと簡易スリッパをパクってきました。

空港までの電車代は250円。持ってる小銭も250円。これじゃパンも買えやせん。大きいお金は3万持っていたけど、その3万は向こうの空港で両替するつもりだったので絶対に崩したくはなかった。グーグー腹を鳴らしながら切符売り場へ。
すると、なんと小銭入れに百円玉が3枚!つまり所持金350円!いやほーい!ここでパンでも!と思いきや駅近くにコンビニがない。コンビニのあるところまで戻ると電車に乗れない...。あきらめて電車へ。

【成田空港】
今回乗るのは大韓航空。安いからね。大韓航空の発着は第一ターミナルなのでそっちの方の駅に下車。たしか6:50ごろ。ついてすぐに売店でピーナッツバターコッペパンを買い、チェックインデスクの近くでもしゃもしゃ食べた。その食べた場所のすぐ横にマックがあって、『100円あったらマックへ行こう、ってCMがあるけどこれじゃマックにもいけねぇなぁ』と、旅行前に妙に悲しい気分になりながらマックを眺めていたり。そんなこんなで指定されていたチェックインの時間になったのでデスクに行くと、大韓航空のデスクじゃない。なんかすっごい小さいところ。柱の周りに机置かせてもらいました、みたいな。格安航空券買った人はあそこなのかな。よくわからんけど。
で、引換証を渡すとカウンターのお姉さんがわたわたしながらいろいろ説明してくれる。機内に荷物持ち込むかとか液体もってるかとかハサミ持ってるかとか。でも何かする度に横にいる上司っぽい女の人からいちいち訂正を受けて、結局そのお姉さんの出番はなくなった。胸の名札を見ると実習生。ああ、道理で。がんばれ実習生。あで、上司っぽい人から『手荷物検査とか出国とかは朝は混みますからすぐ入ってください。』と言われたので、7:45にすぐ入った。
X線検査の女の人のやる気のなさといったらとんでもなかった。朝早いとはいえ最初の仕事よ。退勤間近とかならまだしも最初の仕事でやる気なしって。まあ別に何でもいいです。
出国審査を済ませて、さあ搭乗口。ここまでいくともう見る物も何にもない。おみやげ屋さんとかもこんなもんいらないだろっていう、日本の妙な人形とか漢字Tシャツとかしかないし、新聞とか雑誌とか買おうにも何より金ないし。出来る限りぶらぶらしてみるんだけど何にもないし。まだ1時間もあるけど、仕方ないから搭乗口前のテレビを見ることに。っていってもここもNHKBS2なんだよねぇ...。なにそのチョイス。家から持ってきた本を読みたいけど、ここで読み進めちゃうと飛行機の中で読む物がなくなるし。なんせ往復30時間弱だから。ああ、困った。とかいろいろ考えてたらあっさり1時間経った。
【飛行機】
さて搭乗。大韓航空だから仁川乗り継ぎだったんだど、韓国行きだから年配の方の多いこと多いこと。隣も年配夫婦だった。ちなみに席は窓際。しかも羽の近くじゃないので外もバッチリ見える。ラッキー!
そして9:20に出航。ん?9:20?到着はたしか12時ちょい前。ということは昼ご飯は?一昨年韓国に行ったときは機内食でたけどあれは何時の飛行機だったか。たしかその日の朝に家を出たからこの飛行機よりは遅い。ということはお昼をまたいでた。え、やばくない?最悪、プラハ行きの飛行機の機内食まで飯抜きってこと?もうドキドキですよ。もう少し金もってくりゃよかったと本気で後悔した。
結局、一応軽く出ました。いや、今考えれば結構ちゃんとしたやつかも。ウナギとホタテがのったご飯とパン。まあそこそこのお味でした。韓国人ってウナギ食べるのかな?日本からの便だからなのかな。まあ別にどうでもいいや。新聞を読みまくります。暇だから。
しかしよく考えてみると韓国では乗り継ぎに2時間強。ここではも暇だろうなと思って、前のモニターで映画でも見ることに。かなーりたくさん入ってました。ダイハードとかハリーポッターとかパイレーツオブカリビアンとか。でもその時点から韓国まで2時間あるかないか。それに日本語対応のやつも相当限られてる。仕方がないので『ウェイトレス』という聞いたことのない映画を見た。もっとも最後まで見れなかったけど。
【仁川空港】
さあ初めての乗り継ぎ。大韓航空のホームページであらかじめ乗り継ぎガイドを印刷しておいたので、さーてどこに行くんだったかなと思ったら、家に忘れてやんの。とりあえずtransferの看板を追っかけて行くと手荷物検査みたいなところにたどり着き、そこをこえると免税品とかがたくさん売っているようなところに。成田で『プラハ行きの飛行機は仁川でチェックインしてください』と言われていたので、チェックインデスクに。そして今旅行で初めての英語。

『excuse me』(航空券を差し出す)
『To Prague?』
『Yes』
『Gate No.〜〜(←忘れた)。』
『Thank you』

うわぁ...。なんて適当な英語。でもドキドキですよ。英語で話すの初めてだもの。もちろん中高大と英語の授業はあったけど、英語嫌いだったししゃべる授業はほとんどなかったし。あったとしても生きるために必要というわけではなかったから真面目に聞いてなかったし、聞き取れなくても先生が日本語で解説してたしね。まあそんなこんなでドキドキしながらチェックインを終え、別に免税品店なんか見てても面白くないのでさっさと搭乗口前に。あんまり人もいなかったので『チェコに行く人は少ないのかな』と思ったんだけど、飛行機から持ってきてた新聞なんぞを読んでいたらいつの間にかたくさんの韓国人が。まあチェコが舞台の韓国ドラマもあったことだし、チェコ旅行に行く人がいても全然不思議じゃないね。チェコ人申し訳ないけど、日本人からすれば『チェコってヨーロッパのどの辺?』っていう感じらしい。事実僕も『チェコってどこ?何があるの?何しにいくの?どうしてチェコなの?』といろんな人に聞かれた。*1新聞も隅々まで読み込みゴミ箱へ。かなーり暇な2時間を過ごした。
【飛行機】
搭乗。席は58A。席に座っていると、一人のFAが僕のほうを見て『え?』という顔に。しかも露骨に。特にやましいことをしてるわけでもないのでそのまま座っていると、2人のFAがやってきて『Excuse me, man. Э☆◎#@...』と英語でなにやら話しかけてきた。どうやらチケットを見せてくれと言っている様子。とりあえずチケットを渡すと向こうのほうへ行ってしまった。え?何?オーバーブッキング?まさかビジネスクラスとかに乗れるんじゃねぇ?みたいなことを考えていたらすぐに戻ってきて『Thank you』とチケットが返された。チッ。
そして出航時間の14:25。隣には誰もいない。おーこりゃいい。隣がいなければ横になったり足を投げ出したりしても注意されないという話を聞いていたので、こりゃ幸先がいいと思った。めざましテレビの占い*2も伊達じゃねぇなと。
しかし、嫌な事に気づいてしまった。パーソナルモニターがない...。12時間弱何をしろと?こりゃ寝るしかない。隣がいないのだけが何よりの救い。
出航してからすぐにFAから緑色の袋が支給されました。なんだろうと思ったら、靴下・歯ブラシ・アイマスク・ストラップの『機内で快適に過ごせる』セット。なぜに靴下?とりあえずホテルからパクッてきたスリッパに履きかえました。
そしてまもなくピーナッツが渡された。大韓航空はやたらピーナッツくれる、気がする。ハニーローストピーナッツ。他の航空会社もくれるのかね、ああいうの。たしかエバー航空はなかったような。
その30分後くらいでしょうか。15時半に機内食。『Beef?or Korean Food?』と聞かれたので『Korean Food, Please』と即答。このビビンバの機内食機内食賞みたいなのを受賞してるらしい。最近知った。前に韓国行ったときは出なかったのよね。何だよチクショーとか思ってたんだけど、今回食べられてよかった。それがこれ↓

ご飯はいかにも冷凍だったけど、結構うまかった。うん。最近ではビビンバってポピュラーな食べ物だけど、ほんの10年位前までは『ビビンバって何』みたいな感じで、うちの小学校の給食でもよくビビンバって出たけど、今考えるとあのビビンバ、訴えれたら勝てないよ。ご飯に炒り卵と肉そぼろが混ざってるだけだったもの。あんまりおいしくなかったし。『今日の給食何?』『ビビンバ』『えー』みたいな感じだった気がする。まああの当時ビビンバを積極的にメニューに取り入れた栄養士さんもすごいと思うけど。
で、ご飯を食べ終わってトイレに行くとエメラルドグリーンの靴下をはいている欧米人を見かける。『へー、欧米人は意外と平気で靴下で歩き回るんだ』とか思っていたら同じ色の靴下をはいている人も多数。やっとわかった。さっきのアメニティは機内用なのね。
本を読んだりなんなりしているうちに3時間。日本時間の17時半くらいにスクリーンの運行状況を見ると未だウランバートル。こここ、これは...。うちの家族は諸事情があって、日本国内でもあまり遠くまで旅行にいけなくて、海外なんかもってのほか。2年前に行った韓国旅行が初めての海外だったし、初めての飛行機だった。だからロングフライトは疲れるというけど、やっぱり遠くに行くっていうだけでものすごい憧れがあった。一瞬で消えうせたね。ちょっとナメてた。3時間でここまで疲れるとは。あと8時間かぁ。
本も半分まできてしまった。あんまり読み進ちゃうと帰りがヒマになると思ってやめた。だからメモ帳に書いといた簡単なチェコ語とかを覚えることにした。やっぱり現地の人は英語より現地語であいさつされたほうがうれしいだろうと思うから。正直僕は日本に来てるくせに英語で道聞いてくる外人嫌いです。
で、19時に完全に消灯。周りの人もだんだん寝始める。正直全然眠くなかったけど、前の人がアイマスクしてなかったから電気つけるのも悪かったし、後ろの人の灯りで本を読んでいた。真ん中の列のおばちゃんが完全に足を横に投げ出していたのを見て、僕も横の席に足を投げ出した。すると前のほうから歩いてきたFAが『どうしましょう、困ったわ。』みたいな笑い方をして向こうにいってしまったのを見て、一瞬でわかった。ここ、乗務員席なんだ。すぐに足をどけるとFAが戻ってきて座って寝る準備をしてたので窓のシャッター(?)を下ろした。FAって華やかなイメージあるけどメチャクチャにハードなんだろうなと思う。
後ろの人も電気を消し、いよいよやることなし。そして隣で寝てるFAが美人。妙に緊張しちゃって。彼女がもう3年もいないと女性に対する抗体みたいなのがなくなるんだよねぇ。しかも美人だから。妙に疲れました。外ばっかみてました。
30分くらい経ったことにFAが起きて持ち場に戻った。と思ったら他のFAが隣に来た。うーむ、また居心地が。仕方が無いのでアイマスクをつけてねることに。ちっとも眠くなかったけど。と、思ったらすぐに乱気流に入って飛行機が揺れ始めた。シートベルトつけようと思ったらシートベルトが見つからない。わたわたしてたらFAが取ってくれた。『Thank you』といったらニッコリ笑い返してくれた。でシートベルトつけて寝る。
眠りが浅いときに「ガクン!」ってなるやつが襲ってきて目が覚める。しかし結構ねた様な気分でいたので、『こりゃかなり時間稼いだんじゃ』と思って時計を見るとまだ21時。一時間しか寝てないのかよ。そしてなぜかこの時間に電気がつく。
窓を開けるとすごくキレイな夕日が見えて、窓がものすごく冷たくなっていた。どうやらロシアの上らしく、『ああ遠いところに行こうとしてるんだな』とここで初めて実感した。寒いところの上空に行ったのは初めてなんだけど、ああいうところの雲の見た目は、雲というより雪だった。雲ってふわふわしてるイメージあったけど、ぜんぜん凹凸がなくて雪が積もってるみたいだった。ロシアはもう雪降ってるんだろうか。とか考えてたら、そういや寝てるときに頭がコックリコックリしていたり、何回も向き変えたりしたけど、FAに迷惑をかけなかっただろうかと妙に心配になってきた。
FAが動き出した。エプロンをつけていたのでおそらく機内食が出るのだろう。どうでもいいけどFAのエプロンがよだれかけっぽかった。しかし、それからなかなか機内食が出てこない。もっとも腹が減ってなかったから別に出てこなくてもよかったのだけど、ヒマだから食事でもなんでも行動がしたかった。勉強でもいいからしたかった。勉強したいと思ったの初めてかも。
結局21:40頃に機内食が出てきた。この時間だと夕食なのか夜食なのか。そもそも機内食って誰(どこ)の時間に合わせて出してるんだろう。FAに韓国人だと思われて韓国語でメニューを聞かれる。『English please』と言うと英語でメニューを説明してくれたが「spicy」と「fish」しか聞き取れず、「spicy」と言ったら肉が出てきた。あとほうれん草の炒めたやつ。肉とほうれん草はけっこううまかったんだけど、米とパンがまずいまずい。特にパンなんて外に三日放置したんじゃないかっていうくらい硬い。出してもらったものは残さない主義の僕でも残してしまった。
ご飯を食べ終わって22時。がんばれあと3時間。
22:30に消灯。食ってすぐ寝ろってか。しかし今回はスクリーンでダイハード4を流していた。アクション映画ってあんまり好きじゃないけど、ヒマだからみることにした。が、韓国語吹き替え中国語字幕。はいダメー*3。そしてまたFAが隣に。しかも最初に隣に座った美人。あーもう。寝顔を見たりした。え、キモイですか。そうですか。だって美人の寝顔見たいじゃないですか。
23時にスクリーンを見ると「Time to destination 3:00」の文字が。さっき22時の時点で残り3時間だと思ってたのに...。リアルに凹んだ。プラハ遠いなぁ。
23:30にFAが席を立ってしばらくすると、うしろの方からなにやらいい匂いが。しばらくすると美人FAが駅弁売りが肩にかけてるようなのをかけて何かを持ってきた。いろいろ種類があったが一番手前にあった棒状の箱をもらうといい匂い。あけてみるとピザ。ピザかぁー。23:30だぜ。そんな腹減らないよ。と思ったが開けてしまった手前返すわけにもいかず、半分だけ食べてあとは下げてもらった。
それからはずーっと外を見てた。たまに大きな都市の上を通るとその街の形が光でわかるのが結構面白かった。モスクワとかイルクーツクとかくもの巣みたいに放射状に街が構成されてる。
1:00にワルシャワを通過。残り1時間とわかってかなりうれしくなる。あと一時間でチェコ上陸。この日をどんなに待ち焦がれたことか。
【ルズィニエ空港】
到着!もう嬉しくてしょうがない。入国審査に行くまでの通路にも欧米人しかいない。自分が今ヨーロッパの地面を踏んでるってことが何より嬉しい。たぶんニヤニヤしてたと思う。入国審査では韓国人ツアー客の中に紛れ込む。妙な疎外感が。なんでだろう。入国審査が終わり、スタンプを押してくれた人に『Děkuju(ありがとう)』と言ったら『prosím(どういたしまして)』と返ってきた。通じた...。韓国でも台湾でも感じたけど、外国語って通じたときが一番うれしい。でその足で両替所にいって両替。ここでも『Děkuju』と言ったらこっちを見ずに『prosím』とつぶやいた。無愛想な人だったけどやっぱうれしかった。
そしてゲートを出るとすぐにバス乗り場。小さい空港なんだわ、国際空港なのに。一泊目だけは日本から予約していったのでとりあえずホテルまでいかなきゃならないのだけど、移動手段はタクシー、旅行会社のミニバス、もしくは市バスを乗り換えて地下鉄の三つ。タクシーはボラれる可能性があるらしいので却下。となると市バスかミニバス。市バスは20kč(120円くらい)、ミニバスは900kč(5400円くらい)。ただ、市バスの乗り方もわからないししかも夜の海外は正直怖い。そのホテルは地下鉄の駅からも少し歩くようだし道に迷ったら一発でアウト。たぶん死ぬ。市バスの発着所まで行ってみようと外へ出てみると息が白い。けど意外と寒くない。ちょっと興奮してたのかもしれない。その辺をうろうろしていると背の高い男の人に『Taxi?』と聞かれた。『No』と答えたが、一応値段を聞いとけばよかったと思った。まあとりあえず一番いい行き方を聞こうと思ってインフォメーションに行くと、赤毛のいかついお姉さんが対応してくれた。『Dobrý den(こんにちは)』と言っても返してくれない。とりあえずホテルのバウチャーを見せて、ここに行きたいけど行き方がわからないということを言ったら、タクシーかミニバスで行けと言われた。声が小さい上にしゃべるのが早いから何を言ってるのかほとんどわからなかった。『ミニバスの発着所は?』と聞いたら『outside』。たったそれだけ。『Thank you』と言っても何にも返ってこない。あーもう外人怖いなぁと思いながら自分の英語力の低さを改めて実感した。だって『taxi or minibus』と『outside』しか聞き取れなかったんだから。
ミニバスの値段を聞こうとそのミニバスのデスクに行くと、おばあちゃんが対応してくれた。バウチャーを見せてホテルの名前を告げると何かを聞かれた。ん?という顔をすると『one person?』というのが聞き取れたので『one person』と言うと480kč(2900円くらい)だという。思ってたよりもだいぶ安かったので悩んだ末ミニバスにすることに。しかし『Please』しか言えなかった。おばあちゃんはペラペラ早口で英語をしゃべってきて、とりあえずお金を払おうとすると何やら激しい口調で話しかけてくる。最初ユーロかコルナのどっちで払うのかを聞かれてるのかと思ってコルナの紙幣を見せると、大きな身振りで何かを言っている。『You********Driver!』と言われ、自分で運転しなきゃいけないのかと思って『Driver?NO』と言って混乱したような顔をしていると、『You don't Pay』というのが聞き取れた。『You don't』が『EURO』に聞こえたのか。運転手に直接払えってことだったのね。やっと理解したことがおばあちゃんにも伝わると、おばあちゃんはどうしたらいいのかということを説明し始めた。外に出てミニバンに乗れみたいなことを言っているのだけど、正直あんまり聞き取れない。全部しゃべり終えて『Do you understand me?』とかなり激しく、威圧するように言ってきたので、驚いてyesともnoとも言えないでいると、仕方ないなあみたいな事をつぶやいて『follow me』と言って連れて行ってくれた。おばあちゃんがドライバーに行き先を告げてドライバーのあとをくっついていくと、ドライバーが急に立ち止まって『Just a second』という。空港の中に入っていってしまったので訳もわからず待っていると、すぐに戻ってきて車に乗せてくれた。
発進すると運転手はかなり飛ばした。空港の近くだから住宅地じゃなくて、だから車が多い。他の車も相当飛ばしてた。窓の外を見ると看板も標識もチェコ語しかない。ワクワクする反面、急に怖くなってきた。
韓国はバスに乗って観光地を移動するだけのツアーだった。何から何まで向こうでやってくれた。台湾はフリーの日もあったけど、大体のことは現地スタッフにやってもらってた。何より微妙に中国語が出来たし、しゃべれなくても漢字だからなんとかなった。友人と一緒だったから不安もなかった。
でも今回の旅行で頼れるのは自分ひとり。それにここで自分の使える言語は英語のみで、自分の英語力のなさに愕然としたばかりだった。なんでこんなところにきちゃったんだろうって本気で思った。
30分くらいだろうか、高速道路などを走ってホテルに着いた。周りに地下鉄の駅をみることがなかったし、人もそんなに歩いてなかったので、ミニバスにして正解だったかもしれない。インフォメーションのお姉さんが市バスを選択肢に入れなかったのはそういうことだったのかも。
車を降りて運転手に500kčを払うと運転手が自分の財布にお金を入れて、コイン1枚をくれた。何kčが紙幣で何kčがコインなのかよくわからなかったので絶対ごまかされたと思った。まあどうでもいいので『Děkuju』と言うと『Prosím』と返ってきた。
ホテルに入るとフロントにお兄さんが。バウチャーを出そうとするもバウチャーが見当たらない。全然ない。さっきのミニバスのデスクでなくしたかと思って相当あせったがあった。そこでやっとお兄さんに声をかけるが、返事がない。距離的のも声の大きさ的にも聞こえないはずがないので、こいつサービスマンとしてどうなんだと思っていたらこっちを向いて『Hello』と言ってきた。僕はとりあえずバウチャーを出した。けどなんていっていいかわからない。『I book....tonight』と言ったらいろいろ聞いてきたが、この時点でもう頭がパニックになっているので何も聞き取れない。とそのときフロントの中のブロンド美女*4が予約のホテル控えかなんかをそのお兄さんに見せて、お兄さんもやっとわかってくれた様子。宿泊カードみたいなのを渡されたので書くと、ルームキー(っていうかカード)を渡されて部屋の行き方と朝ごはんの説明をされた。全然聞き取れなかった。とりあえず304ということなのでエレベーターに乗って4階へ*5
部屋に入るとベッドが2つある。ツイン?ツイン予約しちゃったの?まあ別にどうでもよかった。時差ぼけとかは全然感じないけど、妙に疲れた。
以前友人と話しているときに『一人で旅行するときって夜何してるの?ヒマじゃないの?』と聞かれたことがあった。国内旅行ではいつも学校のレポートとかを持ち込んでたし、テレビを見てた。でも今回はテレビをつけてももちろん何を言ってるかわからない。本当に、どうしてこんなところに一人で来ちゃったんだろうと思った。
さっきのおつりのコインを見たら正しい値段だった。シャワーを浴びて、まだ8時だったけど寝た。時差ぼけが急に襲ってきた。

*1:ちなみに『ドイツの隣で街全体が世界遺産。特に何しに行くわけでもなく、何となくチェコ。』と答えてました。

*2:たしかその日は上から2番目くらいだった

*3:あとで気づいたが日本語音声のチャンネルもあった

*4:今思うと、後に感じるチェコ水準からいうとそこまで美人じゃない

*5:チェコは日本でいう1階が0階にあたる