最後のライブ

今日は僕にとって最後となるライブをやってきた。
ずっと前から今回のライブでバンド活動はやめようと心に決めていた。来年から公務員試験の勉強を始めようと思っていたし、もうボーカルはやりたくなかった。ハードロックをやるには、僕の声は合わなすぎる。ボーカル科の先生からも『君は甘い声をしているからハードロックよりもR&Bなんかをやった方がいい』とハッキリいわれたし、自分でもそう思う。だからなのか、ただ単にギターがうまくなりたかったからなのかはわからないけど、僕は今回はギターに逃げた。
でも僕は今回のライブのメンバーが決まり、曲が決まっていくうちにギターへの興味が失せてしまっていた。あまり練習をしなかった。なんとかなると思った。
初めてスタジオに入った日、僕はほとんど曲を覚えてなかった。やってみて愕然とした。今まで僕は一人でギターを弾いた事がなかった。僕がやったどのバンドにも僕の横には必ず信頼できる一人の友人がいた。彼がリードを弾いていた。でも今回は彼がいなかった。僕一人だった。僕というギタリストは自分が思っている以上に下手だった。ドラマーの顔に不安が見えた。
だから必死で練習した。絶対にライブで恥をかきたくなかった。恥をかかせたくなかった。本当に必死でやった。でも、せこい自分もいた。僕は逃げようとしたのだ。左手が腱鞘炎になったことにして。
でもそれはやめた。ずるい。最低だ。たしかに僕の左手はここ最近おかしかった。血が止まっているような感覚があったり、変に痛くなったりもした。右手もここ数年、腱鞘炎(ばね指)を患っている*1。でもそれはギターが弾けなくなるほどのことでもないし、ライブの直前で辞めることはできなかった。最低の人間にはなりたくなかった。
でも結局、ギターの彼には入ってもらった。ギターが僕一本だと無茶苦茶になりそうな気がした。


そして僕自身のささやかな引退ライブのために友人を誘った。でも来ると行ってくれたのは2人だけだった。少し悲しかったけど、その二人のために一生懸命やろうと思った。
また、何回かここに書いたスペイン人の友人も誘った。しかし、返事はもらえなかった。


そして今日、ライブをした。お客さんは30人ほどだったろうか。こんなもんかなと思った。その中で知ってる人は1人しかいない。誘ったうちのもう1人は来なかった。予定が入ってしまったのだろう。しょうがない。
もしかしたらと思ってスペイン人の友人も探したけどやっぱりいなかった。

Setlist
1.スターゲイザー(スピッツ)
2.ツバサ(アンダーグラフ)
3.君の声(アンダーグラフ)
4.SHOCK HEARTS(The Yellow Monkey)
5.Love Gun(KISS)
6.Cold Sweat(Thin Lizzy)

どれも結構うまくいった。おそらくスターゲイザーアルペジオで走ってしまったけれど、失敗はしなかった。君の声はソロで少しミスったけど、イントロ(難しくはないけど苦手)はうまくいった。Love Gunはソロの導入部分のかっこいいところをミスったけど、全体では問題ない。コーラスだってうまくやった。
Cold Sweatはたぶん自分史上でベストアクトだったと思う。

ステージングはイマイチだった。ほぼ棒立ちだったんじゃないかな。ボーカリストとしての僕のステージングはそこそこ評判がいいし、自分でもそこそこいいと思う。でもギタリストとしてのライブは3回目だし、リードギタリストとしては初めて。まあ仕方ないかなと思う。


自分が終わったあとはずっと一緒にやってきたギタリスト*2がやったガンズとエアロのコピーバンドを見た。そこのもう一人のギタリストは彼のお兄さん。二人ともうまい。かっこいい。やっぱすごいなと思った。自分は足元にも及ばない。


全部終わったあとは打ち上げはなかった。終わった時間が15時だというのもあるし、みんな見事に金がないというのもあった。僕は、さっきの兄弟ギタリストと、来てくれた友人の友人(ロックオタクらしい)でカラオケにいった。そのロックオタクの人がジューダスプリーストとかを歌ってて、結構笑った。


帰りは、兄弟ギタリストの弟が御茶ノ水によるというので、お兄さんと二人で帰った。あんまりしゃべったことがなかったので、正直間がもつかどうか不安だったけど、大丈夫だった。そして僕のことを褒めてくれた。『J-POPやっててビックリしたけど、最後の2曲を見たら、「ああ、こいつらいつもこういうのやってるんだな。」って思った。』『ソロがうまくなった。自分にはあんなこと(タッピング)できない。』もちろん彼にタッピングができないはずがない。彼はやらないだけだ。だけど、本当にうれしかった。


そんなこんなで僕の最後のライブは終わった。今回のライブに後悔がないわけじゃない。正直言って、完全燃焼とはいかなかった。だけど、それでいい。すこしくすぶってれば、あとでまたやりたくなるかもしれない。その時はまたやろうと思う。

*1:最近知った

*2:結局今回も横で弾いてもらった人